
トリミングショップで仕事をしていると飼い主からしつけに関する相談を受けることがたびたびあります。しつけには様々な手法がある上に、言葉だけで簡単に説明が出来るものでもありません。しかし飼い主の悩みを少しでも軽減出来るようにトリマーであっても基本的なしつけに関する知識を身に着けておくことは大切なことです。
近年犬のしつけの主流になっている褒めるしつけについて解説されている書籍をご紹介させていただきます。犬が家族の一員となったことで一昔前のような体罰や厳しい叱責を伴うしつけはニーズにあわなくなってきています。時代に合わせた手法を身に着けることが求められています。
ほめてしつける犬の飼い方―アメリカに学ぶ新しいしつけ訓練法
出版社: 池田書店
著者・テリー・ライアン
価格:1296円
ペットとして飼っている犬を、どのようにしつければ誰からも愛され、よい家族の一員にすることができるかがわかりやすく書かれています。また、従来のしつけ訓練法と違い自発的訓練という犬の行動・心理にもとづいた科学的な手法を用いています。この本を参考にすることで犬をほめながら楽しくしつけに取り組むことができます。 家に迎える準備から、初対面のときの接し方、そして基本トレーニングまでがわかりやすく紹介されているので、初めて犬を飼う方にとても役立つ内容になっています。犬の扱いに関する世界的な権威である著者の説明は大変哲学的でわかりやすいと好評です。
いっしょにハッピー子犬の育て方・しつけ―子犬の社会化実用読本
出版社: 新星出版社
著者:西川 文二
価格:1296円
最新の科学的なトレーニング法に基づき、飼い主さんも犬自身もストレスを感じることなく、失敗することもなくしつけに取り組むことが出来ます。子犬のワクチン接種のタイミングに応じて順を追って進めるべきさまざまな社会化トレーニングの手法が紹介されています。雑誌・犬のきもちの執筆で有名な西川トレーナーの著書です。都内にある常設のしつけ教室で実践トレーニング、しつけ教室に参加することも出来ます。
いちばんわかりやすい犬のしつけBOOK
出版社: ナツメ社
著者:望月 利彦
価格:1296円
犬のしつけや生活のマナー、トレーニングまでを具体的な写真とイラストで詳しく説明されています。犬の気持ちや習性と併せて説明されているので理論的に理解し実践することが出来ます。吠える・引っぱるなどの多くの犬が抱える問題行動も理屈を知ったうえで改善に取り組むことが出来ます。褒めることを重視し、たとえ失敗やいたずらをした場合でも決して体罰を用いません。犬との生活では体罰を一切使用せずに犬の意思やモチベーションを引き出す手法なので犬とコミュニケーションを取りつつ、楽しみながらしつけに取り組むことが出来ます。はじめて犬を飼う方、久しぶりに飼う方、里親として成犬を引き取った方のしつけに大変効果的な内容です。
まとめ
犬のしつけ手法はこの数十年で大きく変化しています。以前の叱る、たたく、主従関係を教え込むという手法はもはや時代遅れでしかありません。ペット関連の仕事に従事するうえでは最新の手法や考え方を理解し、習得し、自分の言葉で説明できるよう心掛けます。