多くのトリマーが抱える仕事への悩み

トリマーと言えばペットが好きな人にとっては憧れの職業です。毎日犬猫に囲まれ仕事が出来ることをうらやましいと言われることも多々あります。

実はトリマーの世界は一生役立てることが出来ると言われるほどの高い技術を身に着けながらも、数年で離職してしまう人材が大勢います。その背景には多くのトリマーが共通して抱えるこの仕事ならではの悩みがあります。
特に男性の離職率が高いこともこの業界ならではの傾向です。

低賃金で昇給や賞与なしが当たり前

トリミングショップや動物病院は小規模、個人経営が主流です。その大半は会社組織として確立されていません。そのため一般的な企業にある福利厚生や昇給、賞与という待遇を望むことは難しいのです。もちろん社会保険への加入でさえも当たり前の世界ではありません。

有給や産休の整備も不十分で一般企業に比べ職場環境への不満が起こりやすい環境と言えます。

トリマーの給与は都内にある店舗でも15~18万円が相場です。郊外にある店舗であればさらに給与額面は低くなります。もちろんこの金額は新卒、見習いに限らず一人前と呼ばれる経験者でもほぼ同等です。そのためこの金額では生活が成り立たない、将来に不安を感じるという理由からトリミング業界自体から離れてしまうトリマーが大勢います。

給与待遇の問題は徐々に大手企業を中心に改善されつつはあるものの、まだまだトリマーの望む待遇とは溝があります。

トリミング業界は今慢性的な人材不足に陥っています。今後新たにトリマーを採用する場合は、給与待遇面でどのような差別化が出来るかという点も重要な判断材料となることを自覚する必要があります。

肉体労働ならではの身体的な問題

トリマーの仕事はトリミングテーブルの前やシンクの前に立ち作業をするので、終日の立ち仕事です。立ち仕事の合間には犬猫の世話、清掃、散歩と立てつづきます。そのため数年継続して勤務をすると次第に腰痛、腱鞘炎、肩こりなどの問題を抱えやすくなります。

日々の業務では犬猫の食事の時間、散歩の時間が集中するので自身の都合で前後させることも難しく、つい体に負担がかかりやすくなります。

この問題はトリマーとして経験を積み、年齢を重ねれば重ねるほどの深刻になるので、多くのベテラントリマーが身体的な問題を理由に離職しています。

女性ばかりの職場環境による人間関係

トリマーの世界は8割以上が女性です。その上勤務先であるトリミングショップや動物病院の大半は数名の女性だけで運営される小規模な事業所ばかりです。

これでは当然人間関係に気を使うこと、居心地がわるいと感じることも多くなります。その結果、短期間での転職や離職が後を絶ちません。

しかし転職先でも職場環境が大きく変わることが無い上に、事前の情報収集も難しい事から多くのトリマーが仕事への熱意を失ってしまいます。

まとめ

憧れの職業と呼ばれることの多いトリマーの世界ですが、この仕事にはトリミングそのものとは関係のない部分での悩みがつきものです。ただ安易な転職を繰り返しても必ず事態が好転するとは限らないので、時には我慢することも必要です。転職をする際は待遇面や勤務時間をあらかじめ確認し比較検討することが必要です。