老犬におけるトリミングのリスクと負担軽減法について

我が子同然の愛犬にはいつまでもきれいで可愛くいてもらいたいと思っている飼い主さんも多いと思います。ペットトリマーにトリミングをしてもらうと見た目にきれいに仕上がるので、トリミングサロンを利用し続けようと考えるのは自然なことでしょう。しかし、トリミングは愛犬にとって我々が考える以上の負担になっていることはご存知でしょうか。特に老犬の場合、トリミング中に死亡する事例も報告されています。そこで本稿では、愛犬にとってトリミングが大変な負担となる理由や、老犬の負担軽減法などをご紹介したいと思います。

トリミングの必要性について

トリミングが必要な犬種は毛が伸び続けるため、人の手で適度にカットして長さを調節しなければなりません。放置すると伸びた毛が絡まり毛玉ができ易くなり、毛玉が多数できると被毛内部の湿度が高い状態で保たれ、皮膚病を誘発します。さらに、毛が伸びるとゴミや汚れが付着しやすくなり、それが原因で皮膚病を患う場合もあります。また、毛を伸ばしすぎるとノミやダニといった寄生虫の温床となりやすくなるのも問題です。ノミやダニに大量に寄生されると皮膚炎や貧血を引き起こします。特にマダニはバベシア症など犬にとって深刻な病気を媒介するので注意が必要です。犬の衛生管理のために定期的なトリミングは必要不可欠といえます。

愛犬にとってトリミングがストレスになる理由

トリミングは愛犬を衛生的に保つために必要なことですが、困ったことに愛犬にとってトリミングはストレスで大変な負担です。なぜなら、慣れない場所で知らない人に長時間触られる上に、見知らぬほかの犬がいる環境でトリミングが終わるまでの間じっとしていなければならないからです。さらに多くの場合、飼い主と離れた状態でトリミングを行うので、愛犬の精神的苦痛はひとしおでしょう。若い犬であれば体力が充実しているので乗り切れますが、トリミング後にぐったりしてしまい、食欲がなくなるといった例もあるのが事実です。老犬は体力が衰えているので、トリミング中またはその後に持病の再発やてんかんの発症が原因で死亡する事例もあります。そのため、老犬のトリミング自体を断る店舗や、トリミング中の不慮の事故に対して店側の責任を追及しないという旨の契約を求める店舗もあります。

老犬のトリミング負担軽減法について

それでは老犬のトリミングの負担を軽減する方法を考えていきましょう。まず、慣れない場所で知らない人に触れられること自体が愛犬にとってストレスです。よって、利用するトリミングサロンは固定すると良いでしょう。店舗によってはペットトリマーを指名できるので、愛犬に特定のトリマーを覚えさせることで負担の軽減も可能です。愛犬が若い内に特定の店舗に通うことで慣れさせておけば、有効な負担軽減策となるでしょう。また、トリミング中は愛犬の側についていてあげてください。飼い主が近くにいることで愛犬は安心感を得られますし、万一体調に異変をきたした場合でもトリマーと相談してトリミングを中止するなど、素早く対応できます。愛犬に社会性を身に着けさせ、初対面の人や犬に過度な警戒感を抱かせないようにするのも有効です。そのためには訓練が必要で、ドッグランやほかの飼い主さんが散歩コースにして集まるような公園を利用するとよいでしょう。

まとめ

トリミングは愛犬の健康を守るために必要なことですが、同時に大きなストレスであり負担を与えます。前述した以外にも、トリミング作業のうち爪切りやブラッシングなど、比較難易度の低い作業を飼い主さん自ら行うことも有効な負担軽減策です。愛犬にとって負担が小さくなるトリミングの方法を模索してあげてください。